【勉強した】ITストラテジストを受けてみたら、プロジェクトをちゃんと進める大事さがわかった【しっかり落ちた】

この春にIPAITストラテジストを受けた。

他に持ってる資格は応用情報技術者だけなので、高度試験の中でも割とジャンプアップした内容で受けたことになる。

というか職務経験上他の高度試験がほぼ無理である。やるとしたらサービスマネージャーとかはありだったが、どうせなら一番かっこいいやつ、ということでITストラテジストを受けたカッコつけやろうは僕です。

 

結果から言うと落ちた。

割と自信のあった午後Ⅰで落ちたので、結構悔いの残る結果である。

こういうときって自信のある内容で点が取れてないのって勉強不足の証なんだよな、、、

 

 

ITストラテジストってなに

高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。

ITストラテジスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

らしい。

 

 

今は事業会社の中でワークフローの自動化とかソリューション選定、半期単位での施策推進などをやっていて、ほぼ独立全部やる部隊みたいな立ち位置なので多職種、しかも意思決定者と話すことがまあまあ多い。

レベルの高低は別として話す内容は抽象度が高い話が自然と多くなるので、「具体的には、こういう施策をこういうソリューションでこういうふうに実行することを提案することを勧めます、なぜならば」という切り口で話すことが求められる立場としては、具体-抽象をぐいんとブリッジできる人になるのにITストラテジストを受けてみるのはいい選択だった。

 

 

落ちたけど勉強として良かった

落ちといてなんだが、勉強して本当によかった。

仕事に好影響が出たと感じる。

プロジェクトマネジメントのフレームが総ざらいできる

プロジェクトの進め方について一言一句を復習するいい機会になった。

プロジェクトマネジメントやら開発マネジメントのフレームってインプットこそ勧められるがアウトプットを形式ばって求められないと思っていて(それこそ型のしっかりしたコンサルとかなら別だが)、我流だか亜流だかのプロジェクト推進になりがちな事業会社の人間にはありがたい機会になった。

自分の仕事の価値をしっかり棚卸しできる

午後Ⅱで自分が進めたプロジェクトについて論述することを求められるが、これが自分の経験を棚卸しするいい機会だった。

設問ア
あなたが携わった個別システム化計画におけるシステムリスク対応方針の立案において、対象としたサービスと個別システムの概要を、事業特性とともに 800 字以内で述べよ。

設問イ
設問アで述べた個別システムにおいて、あなたはどのようなシステムリスク対応方針を立案したか。想定したインシデントとインパクトを明らかにし、立案に当たり工夫した点とともに、800 字以上 1,600 字以内で具体的に述べよ。

設問ウ
設問イで述べたシステムリスク対応方針について、あなたは事業部門と経営層にどのような提案を行い、承認を得たか。事業部門と経営層から指摘を受けて改善したこととともに、600 字以上 1,200 字以内で具体的に述べよ。

昨年の過去問より

 

というように、

・環境とともに背景を説明し

・打ち立てた解決策を提示し

・受けたフィードバック(経営・事業から見て足りなかったところ)を明記する

という3段構成になっている。

これを具体的に論ずることを通して、自分のプロジェクトが結局何で、どういう課題に立ち向かう、どういう新規性のあるもので、客観的に見るとどういうものだったのかを論述を通して整理できた。まさか仕事の棚卸しを資格を通じてやるとは思わなんだ。

 

結果、ITストラテジスト「らしい」仕事の進め方をできるようになった。

自分でも「おー、やってよかったな」と思ったのが、ITストラテジスト「らしい」仕事の進め方をするようになったことである。

プロジェクト開始時点のドキュメントに「なぜならば」を経営に必要そうなところにからめて書くようになったし、MTG中も「なぜならば」に着目して論を組み立てることが増えてきた。

そうすることによって他部署の納得感も変わってきたし、仕事を通じた自分の価値を能動的に理解することにもつながった。

また、先達の少ない環境だからこそ、基本に忠実なプロジェクト運びもするようになった。

内心小バカにしていたプロジェクト憲章をズレのないように意味のあるものとして記述するようになったし、「コレ第三者が見たときにわからないのリスクなので、システム開発じゃないですが要件定義~詳細設計までやっちゃいましょう」と自分で提案したときにはちょっとびっくりした。

でも基本を守ってある程度外部から観測可能な様式のドキュメントが作られることで、困ったときの相談を外部に求めやすいし、穴も見つけやすい。

答えのない仕事をありがたがる風潮は根強いが、解き方までフリーダムにする必要はないと思わされた。

 

 

結論、師がいない立場でDX推進するポジションの人に広くお勧めできる試験だと思った。

来年チャレンジするかは未定。といいつつ今やる気なかったら受けない気もする。

 

 

どんぐらいどうやって勉強してたか

本筋と関係ないけど備忘として。

12月から始めて、4月中旬の受験日までやった。

通常2年かかるらしいので、かなりナメたスタートではある。

午前Ⅱ:午後Ⅰ:午後Ⅱ=1:1:3ぐらいの割合で、週末6時間+平日3時間ぐらいでやっていた気がする。してなかったかも。まあいいや落ちたし。

午前

午前Ⅰは応用情報取った免除が残ってたので免除。

午後Ⅱはスマホで過去問やりつつ、テキストの知識インプットの章をひたすら暗記した。

セキュリティとプロジェクトマネジメントは実務でもやってたのでまだいけたが、ファイナンシャルあたりはすべて勘である。ギリ受かってたしそういう意味ではいけた。

午後

午後Ⅰはコレを全部やった。自己採点が今考えると甘かったかもしれない。

文章題の引用箇所をまるっきり外すみたいなポカも大問により1つぐらいやっていた。

 

午後Ⅱはコレをやりながら軸となるエピソードを3つぐらい作った。結果2つ使えたので良かったが、今考えると知るよしもない。

iPadApple Pencilで原稿用紙のPDFを落とし、goodnoteに手書きした。でも本番の紙とシャーペンの負担は想像を絶するもので、筋肉痛を2日引きずったから紙とシャーペンで通し1回ぐらいは解いておくべきだったかもしれない。完答したことはちょっとだけ自信になった。